2人目のご紹介は女声陣を下から支える”クイックリー夫人”!
メグと同じメゾソプラノの指定がされていますが、楽譜の上では女声四人の中で最も低いパートを受け持っていて、音域的にも表現的にもほとんどアルトに近い声の種類が求められています。特に五線譜の下の音域では女声の低声特有の胸声の響きが随所で有効に使われています。
中でも有名なのは”Reverenza!(レヴェレーンツァ!)”のひと節でしょうか?世界中のメゾソプラノが一度は声に出してみたいと思うであろう有名なフレーズで、皆さんも聴いたらきっと耳に残ることでしょう!また、主人公ファルスタッフと一対一でやり取りするシーンや、ナンネッタとフェントンの若い二人を甲斐甲斐しく励まし続ける姿も、クイックリーの「世話焼きの、気の良いおばちゃん」的な役回りを演技面で際立たせています。
C.エルモ、G.シミオナート、F.バルビエーリ、F.コッソット…イタリアの正統派メゾソプラノの系譜にある往年の大歌手たちは必ずこのクイックリー役を演じています。(まだ20代のコッソットがメグ役で、クイックリー役の先輩バルビエーリとスカラ座で同じ舞台で共演した記録もあります!分かる人には分かる驚きのレア情報。笑)本番まであと1週間、皆さんも色んなメゾソプラノ歌手によるクイックリー夫人の”Reverenza!”を聴き比べて予習されてみはいかが??
(※右が初日組の松原広美さん、左が楽日組の佐藤みほさん。舞台でのお二人の大活躍をどうぞお楽しみに!)