久しぶりの「公開殺人」!(笑)

11/16は岐阜県可児市で「カルメン」の名場面を演じて来ました。

 

主役のカルメン(林美智子さん)が歌う「ハバネラ」「セギディーリャ」、闘牛士エスカミーリョ(近野賢一さん)の名曲「闘牛士の歌」、そしてオーケストラ演奏による有名な序曲や間奏曲は日本中のどの街でも盛り上がるのですが、この日の会場、可児市文化創造センター”アーラ”ホールも大いに湧きました!客席もほぼ満席(95%)で、プログラム前半の「カルメン」ハイライトと後半の有名曲の数々をお楽しみ頂きました。

 

 

言うまでもなく、この日のメインは前半の歌劇「カルメン」の名場面集。ステージ上にオーケストラが配置され、指揮者と客席の間のスペースを使って歌手の3人が本格的な衣装を着けてしっかり演技しながら歌いました。曲によっては客席側から登場したり、椅子や小道具を使ってリアルなシーンを演出したりして、当初の想定以上に”オペラティックなコンサート形式”での上演となりました。

 

 

テノールのが演じるドン・ホセ役は、上記に挙げたような”超有名”なアリアはありませんが、それでも恋人カルメンに切々と歌う「花の歌」はその美しくも情熱的な音楽が印象的であり、一方で幕切れのシーンではそのカルメンを刺殺するという劇的な面も持ち合わせています。アリア単品で聴衆の拍手をかっさらうタイプとは異なり、今回のようにある程度ストーリーを追っていくつかのシーンを演じてこそその役柄の本質や変節の過程が表現できるので、音楽的にも演技的にもより充実感を味わうことが出来ますね。

 

 

ということで最後はしっかりカルメンをブスリっ!(笑)リハーサル中に何度かお相手役の林さんに謝罪しながら、刺殺するタイミングや客席からの見え方などを打ち合わせて準備しました。「舞台上での人殺し(あまり良い表現ではありませんね!)」はこれまで何度か経験しましたが、今回はかなり久しぶりでしたので(記憶では2019年の「ホフマン物語」以来かな?)、武器のナイフの具合を確認したり、宿泊先のホテルの部屋でちょっと素振りをしたりと、勘を取り戻すための時間もなんだか楽しかったですね。(決して危ない人ではありませんよ!お仕事ですよ!笑)

 

 

自分以外のシーンや音楽を聴きながら、そして客席の熱い反応を見ながら、あらためて「カルメン」というオペラ作品の魅力を再確認する機会にもなりました。セントラル愛知さん、アーラさん、共演者及び関係スタッフの皆さん、本当にありがとうございました!

 

 

 

(※写真上:カーテンコール直後のバックヤードで。歌手のお二人、指揮の角田鋼亮さん、演出のほりみかさん、役者の末吉康治さんと。  下左:カルメン前半の衣装。エスカミーリョ役の近野さんと。  下中:セントラル愛知交響楽団さんのリハーサル風景。指揮台からステージ最前面の間は演技のためのスペースで、椅子も置いてありました。  下右:カルメン役の林さんとの二重唱シーン。)