ベッリーニからドニゼッティへ

新国立劇場のカヴァー職を全うし、翌日からは自分が出演する公演の稽古開始です。

 

新国立劇場の上演史上で初めて取り上げた、ベルカント作品を代表する作曲家ベッリーニの「夢遊病の女」は今日で全5回の公演を完了し、主演のクラウディア・ムスキオをはじめ素晴らしいキャストと合唱、オーケストラの熱演のおかげで大いに盛り上がって終了しました。カーテンコールも今日が一番長く盛大でしたが、日本のオペラファンにそれほど馴染みの無いジャンルにも関わらずこれほど称賛の拍手が続いたことは、ベルカントオペラを愛する者としてとても嬉しく、誇らしい思いでした。出演者、スタッフの皆さんお疲れ様でした!

 

 

前のカンパニーが解散するとすぐ次のカンパニーがスタートです。明日からはいよいよ自分が出演するドニゼッティ作曲のオペラ「ドン・パスクワーレ」(エルネスト役)の稽古です。本番の10月29&30日に向けて約2週間の稽古期間で、明日は衣装合わせの後に指揮者の沼尻竜彦さんと音楽稽古を2時間半、夕方からは合唱団や助演の俳優さんたちと合流して立ち稽古を2時間行う予定です。初日からフルコースですので今日は夕飯をしっかり摂りました!(笑)

 

 

ベルカントオペラの作曲家と言えばロッシーニ、ベッリーニ、ドニゼッティの3人と言われます。今シーズンの新国立劇場の開幕からのラインアップは本公演でベッリーニの「夢遊病の女」、高校生のためのオペラ鑑賞教室でドニゼッティの「ドン・パスクワーレ」、そして11月の本公演でロッシーニの最後にして最大の大曲「ウィリアム・テル」と、なんと3作品連続でその3人の作品によるベルカントオペラが制作されています。運良くこれらの上演に携われることに感謝して、今後ますますこのジャンルが愛されていくよう、クオリティの高い舞台作りに貢献したいと思います。

 

 

 

(※写真は今日でカバンの中で交代となるLa Sonnambula=夢遊病の女とDon Pasquale=ドン・パスクワーレの楽譜。いずれもリコルディ出版のピアノヴォーカルスコアですが、だいぶ経年劣化して来ましたね…お見苦しくてすみません!)