国際指揮者コンクールで歌う

10月7&8日は東京国際指揮者コンクールのお仕事でした。

 

東京オペラシティのコンサートホールで、世界中から約300名がエントリーした若手指揮者の登竜門のコンクールが行われ、そのうち予選進出者18名を対象に、オペラのワンシーン(W.A.モーツァルト作曲「魔笛」より)を課題曲にした選考審査が行われました。

 

 

一般公開のため客席には審査員の他に聴衆もたくさんいて、オーケストラは東京フィルハーモニーということでさながら普通のコンサートのような雰囲気もありましたが、厳正なる審査の場ですのでとにかく18名の受験者さんになるべく公平な状況下で臨んでもらえるよう、できるだけムラの無いコンスタントな歌唱を心がけました。18回も歌うということで喉のスタミナが不安でしたが、最後まで声がカスれたり割れたりすることなく、なんとか無事”完走”することが出来ました。

 

 

演奏した箇所はレチタティーヴォ(喋るような会話調)の部分ですが、事前の打ち合わせは一切無しにステージ上で初めて受験者さんたちとコンタクトを取り、人によっては一度通して演奏した後にいくつか音楽上のリクエストを歌手に伝えて再度演奏する場合もありました。オーケストラや歌手とのこうしたやり取りも含めて審査の対象となっていましたので、さながらリハーサル風景をお客さんに見られているような感覚で常に緊張感もありましたね。(外国人受験者さんとは英語でのコミュニケーションとなり、これにも歌唱とは別の意味で緊張しました!)

 

 

本選終了まで1週間にわたる規模で行われている東京国際指揮者コンクールは日曜日が本選(決勝)を迎えます。これから世界に羽ばたいていくであろう若い才能、金の卵たちを、どうぞオペラシティの会場で直接見届けてみてはいかがでしょうか。またと無い貴重な経験をさせて頂き、大変有意義な二日間となりました。

 

 

 

(※写真上段:コンクールの会場、東京オペラシティコンサートホール。  中段:パンフレット。国内外の名だたる指揮者や音楽関係者が審査員で、優勝賞金は200万円という世界的にも最大規模、最高レベルの指揮者コンクールです。  下段:ステージ裏のモニター映像と大会HP掲載の写真。同じ藤原歌劇団所属の田中大輝さんと共に。)