かっぱ橋歌劇団のオペラコンサートまであと1週間です。
歌劇「ルクレツィア・ボルジア」はイタリアのベルカント・オペラの代表的な作曲家、ドニゼッティによる作品です。ドニゼッティと言えば「愛の妙薬」「ドン・パスクワーレ」などの喜劇と、「アンナ・ボレーナ」「ラ・ファヴォリータ」「ルチア」のような悲劇の両方で後世に残る作品を残し、この「ルクレツィア・ボルジア」も含むいずれの作品もベルカント(Bel Canto)・オペラのスタイルで書かれています。均質な母音やなめらかな歌のライン、長いフレーズに必要なブレスコントロール、美しい声、長く難易度の高いアリア、強弱などの抑揚の豊かさなどなど、”ベルカント”を説明するには様々な要素があるのですが、とにかく聴いていて美しい音楽が目白押しです。
来週5/3(金)のかっぱ橋歌劇団公演には歌い手だけで両組併せて19人のキャストと女声合唱がスタンバイ。昨日のリハーサルには指揮者と伴奏者も含め普段以上にたくさん参加者が集まったので、練習後にみんなで写真を撮りました。やはり人数が揃うとテンションも上がって、さらに良い音楽や良い声が生まれるものですね!(これだけの大人数をコントロールして下さるかっぱ橋歌劇団の主宰の方は本当に大変だと思います、いつもありがとうございます!)
明日はいよいよオケ合わせ。小編成でもやはり弦楽器や管楽器と一緒に歌える機会はオペラ好きの歌手にとっては嬉しいものです。本番までの残りのリハーサルも引き続き頑張りたいと思いますので、皆さんどうぞ5月3日は「ルクレツィア・ボルジア」を聴きに来てみて下さい!
(※写真上:出演者の皆さんと。 左下:このオペラの主人公、ルクレツィア・ボルジアについての塩野七生さんのエッセイ本。イタリア留学中にミラノで購入した物が15年を経て役に立っています。 中下:スコア。左はリコルディの旧版で、今回自分が使っているのが右の批判校訂版。旧版には無いテノールのレアなアリアも掲載されていて、今回お披露目の予定です! 右下:学生の頃から愛聴して来たCD。ジェンナーロ役を歌うイタリアの名テノール、G.ライモンディの輝かしい声と、ベルカント作品を歌うのに必要な高音の”特別な技術”に憧れたのも、このCDを聴いてのことでした。)