しらかわホール最後の出演へ

21日(水)は間も無く閉館する「しらかわホール」に最後の出演です。

 

名古屋市だけでなく愛知県、或いは東海地方全体としても閉館が惜しまれる「しらかわホール」(693席/名古屋市東区伏見)とは大学生からの長いご縁があり、自分にとっては特別な思い入れと忘れ難い記憶の数々が詰まった大切な音楽ホールです。2月末=あと10日で全公演を終え、3月末でそのお役目を終えるとのことです。(マンションに生まれ変わるとの情報有り。)

 

 

大学2年生の時、全学年オープンオーディションの結果、大学主催定期演奏会に出演してこのホールでソロを2曲歌い、それまでに経験した門下生の発表会や文化祭などではなく、公式の演奏会で生まれて初めて一般のお客様から拍手をもらったのがこのホールでした。声楽科に転科したばかりのハタチの自分にとっては本当に衝撃的な経験で、美しいリサイタルホールのステージから見た満席の客席の風景は今も鮮明に覚えています。

 

 

その後も卒業演奏会や大学院修了演奏会、さらに卒業後も実技補助員(後輩の大学院生の重唱の相手役)やOBとして母校の大学主催演奏会にたくさん出演させて頂きましたし、大学関係以外でももちろん様々な機会でこのホールで歌わせてもらいました。2016年に主催した初リサイタルもこのホールにこだわって開催しました。(なお現在に至るまで、自主公演としてのワンマンリサイタルはこの時の一回きりで、それ以外のリサイタルは全て公共音楽ホールの主催でのものです。「リサイタル」は通常の「コンサート」と違い、楽しいトークやギター演奏、衣装チェンジや照明効果など一切の演出を除いた、純粋に研鑽してきた楽曲の歌唱のみを一人で披露する場であると、自分の中でははっきり区別して捉えています。)

 

 

またこのホールでは自分が出演するだけでなく様々な演奏も聴いて来ました。クラシック音楽の醍醐味である生の音の素晴らしさを最も堪能させてくれたのも、このしらかわホールでした。一方で時に響き過ぎる空間にあって、それでも優れた歌手からは発音が明瞭に聴こえてくることを認識したり、しっかり響きがフォーカスされた声とそうでないものを聴き分けたりと、発声の良し悪しを判断する場、「耳を鍛える場」として積極的に鑑賞に出かけたことも懐かしい思い出です。

 

 

あさっての演奏会では気心の知れた仲間たちと一緒に、リサイタル形式に近い形(トーク無し、演出無し、全曲オペラアリア&重唱)で自分の専門分野であるオペラの作品をじっくりと歌わせて頂きます。日本の歌やカンツォーネも大好きですが、このホールでの最後はやはり自分たちの本領であるオペラの曲で締めくくることにしました、長年の感謝を込めて精一杯の自分の声と音楽を捧げようと思います。

 

 

おかげさまでたくさんのお客様が来てくれる見通しです、若干数ですが当日券もございますので、お時間のある方は最後のしらかわホールにどうぞお越し下さい!

 

 

 

(※写真はしらかわホールHPより転載。左右バルコニー席以外は全てS席、どの場所でも最高の響きが楽しめる素晴らしいホールです!)