明日7/14は名古屋市伏見の電気文化会館でコンサートに出演です。
ソプラノの下垣真希さんの「平和のリサイタル2012 命の賛歌」に賛助出演させて頂きますが、演奏を依頼された曲目には初めてのものもいくつか含まれています。
中でもサトウ・ハチロー作詞・古関裕而作曲「長崎の鐘」は藤山一郎の声と共に戦後広く愛された名曲とあって、リアルタイムで聴かれた世代のお客様のためにも、いっそう丁寧に歌いたいと思います。放射線学者で自らも被爆しながら、妻を原爆で失い、無数の被爆者に寄り添いながら数年後に白血病で亡くなった永井隆博士の半生は、戦後70年近くになる現代にあってなお、書籍やインターネットなどで我々新しい世代でも知り得ることができます。
「さとうきび畑」も歌わせて頂きますが、自分が山口県出身ということでお隣広島の被爆体験と併せて、戦争や平和を扱う歌に触れる時はやはり一層心を込めずにはいられません。
「長崎の鐘」を歌った藤山一郎さん、その格調あるテナーボイスで(その歌い崩しの無い正統的な歌唱スタイルから”楷書の歌”と呼ばれたそうです)長く昭和歌謡界の中心にあったことは存じ上げていましたが、東京音楽学校(現在の東京芸大)を首席卒業時はなんとバリトンだったそうですね。
クラシック畑では「第九」やドイツ歌曲などでバリトン(「第九」ではバス)パートを歌い、芸名の”藤山一郎”としてレコードに流行歌を吹き込む時はテナーとして、あの印象深い軽やかで透き通った声をご披露していたということです。
生前にインタビューで「時代を担う歌手は」との問いに、先日お亡くなりになった尾崎紀世彦さんや布施明さんなどを挙げていました。
写真は「長崎の鐘」のモデルである”アンジェラスの鐘”がある浦上天主堂。今も一日3回、平和の鐘を鳴らし続けているそうです。(Wikipediaより転載)