先週は渋谷のとある企業社屋内で、オペラセミナーの一環で歌わせて頂きました。

主催の会社及びその関係者様を社内の一室に招いて、藤原歌劇団総監督である折江忠道さんが自らオペラとはどういうものか、どういう楽しみ方があるかをレクチャーされ、それに続いてミニコンサートとしてソプラノの伊藤晴さんと3人(ピアノはよくご一緒させてもらう瀧田亮子さん！)でソロや重唱をご披露させて頂きました。オペラ未体験の方を念頭に(もちろん既にファンの方もご来場下さいましたが)、比較的馴染みのある曲や分かりやすい作品をプログラミングして聴いてもらいましたが、もしかしたらこの機会をきっかけに新しいオペラのお客様が増えてくれるかもと思って予想以上に緊張しました！

慢性的な集客不足に悩む我々の業界は、大きな舞台と並行してこうした地道な”草の根活動”も大切な営業努力として欠かせません。様々な世代、色々な業種の人たちに、工夫を重ねながら絶えずオペラの魅力を伝え続けることでしか劇場に足を運んでもらう人はなかなか増えないのかもしれません。SNSが発達した今こそ、人間の生の声の魅力を直接伝えられるこのような演奏機会をこれからも大切にしたいと思います。

折江総監督の楽しいお話のおかげもあって客席はコンサート冒頭から熱気を帯びて、一曲ごとに大きな拍手や時には「ブラボー！」の掛け声も飛び交いました。またこの時期(東北大震災の日の前々日)なので「花は咲く」を歌わせてもらいましたが、どのお客様にもじっくりと聴き入って頂けたように感じました。自分も出演する側ながら共演のお二人の歌手と伴奏ピアノの瀧田さんとの掛け合いも楽しく、生の音楽でこそ喜びや感動をを客席と一緒に共有できることに改めて幸せを感じた日でした。

この日ご来場頂いた皆さま、是非どうぞオペラ公演やコンサートにお越し下さいませ！

(※写真上:終演後に出演者全員で。　　左下:この日の会場。リハーサルでは総監督自ら電子ピアノの入念なチェック！　　右下:お客様に配られた資料。)