2/17の「夕鶴」上演のための稽古が連日続いています。
主催の「日本オペラ協会」はその名のとおり邦人オペラ作品のみに特化して舞台上演・歌唱研究を行っていて、イタリアものを中心とした外国作品のみを上演する「藤原歌劇団」と共に『日本オペラ振興会』に属しているのですが、事務局や関係スタッフ、稽古場など周辺環境も含めて両団体共有の部分も多く、その主催公演には毎回藤原歌劇団の団員も多数出演します。私も藤原歌劇団団員(現在は両団体の所属)として昨年10月の日本オペラ協会主催公演「ミスター・シンデレラ」(正男役)で初めて出演させて頂いたのですが、今回の「夕鶴」で2作品目の邦人オペラ作品への出演となります。
12月の音楽稽古から1月は立ち稽古の段階に移り、2月に入ってからは各シーンを掘り下げ、固める作業を重ねています。上演の約10日となる来週後半には通し稽古、再来週から劇場入りして総仕上げ、という段取りになっています。通常は通し稽古から後は、そんなに各シーンを繰り返して稽古する事が時間的に出来ないので、今が一番稽古量が多く、出演者それぞれが悩み、煮詰まっていく時期でもあります。そして実はこの時こそが、「あー、自分はオペラやってるなー」と実感出来るのかもしれません。もし周りに「オペラの稽古場を見学してみたい」という人がいたとしたら、この時期の稽古場を見学されることをお勧めしたいですね!年齢やキャリアなど関係無く、出演者もスタッフもみんな「夕鶴」という作品と平等に対峙して精一杯努力しています。(実際に、今回出演する児童合唱団の子供たちは稽古場で自分たちの出番を待ちながら、我々ソリストたちの四苦八苦する姿を見学しています。時にはなかなかスリリングな瞬間も…!)
まだまだ不慣れな日本語のオペラ、邦人作曲家独特の音楽と純和風の舞台に戸惑いながら(演技で履物=草履を脱いだり正座やあぐらの姿勢をするだけでも、外国オペラしか経験の無い自分にとっては新鮮なのです!)、毎日の稽古が益々充実していくよう引き続き頑張りたいと思います。もちろん今はまだまだ未完成ですが、本番までにはきっと皆さんが感動してくれるような舞台になると確信しています!素晴らしいカンパニーと共に、日本が世界に誇る名作オペラに出演できる喜びと責任を感じながら、明日も稽古に行ってきます。
(※写真は稽古場の風景を本人が撮影。いつもはTシャツとジーパンでOKなのですが、和物ということで他の出演者にならって稽古用の作務衣(さむえ)も今回初めて買いました!)