2015年のロッシーニは「ランスへの旅」「セビリャの理髪師」と、この「小荘厳ミサ曲」でした。
もちろんコンサートでのアリアや重唱はたくさん歌いましたが(今後も年内のコンサートでもまだ歌う予定です)、作品一本を上演する機会はまだまだ日本では多くありません。それでもレパートリーの関係から、テノール歌手としては比較的多く出演の機会がもらえている方だとは思うので、この希代の天才作曲家の作品に出会えた時は幸運に感謝しながらポジティヴに演奏しようと心掛けています。
大曲ゆえに、昨日の上演では途中で休憩をはさむ形で前後半に分けて演奏されました。最晩年の作品ですが、それゆえに作曲家の技法の粋の結晶とも言える内容で、ソロも合唱も伴奏も本当に難しいのです。アマチュア合唱団の皆さんの頑張りに感化されるように、ソリスト及び伴奏ピアニストの皆さんも本番はそれぞれ熱演で、まさに出演者全員で立ち向かったと言える熱い演奏となりました。
来年も日生劇場での「セビリャの理髪師」が予定されていますが、これからもロッシーニ作品に立ち向かえる機会が続いてくれることを願っています。
(※終演直後の楽屋前で、ソリストさんと伴奏者さんたちと。開放感からか、打ち上げも盛り上がって楽しかったです!)