ゼッダ先生とロッシーニとの素晴らしい”旅”が終着しました。
偉大なマエストロとの共演、出演者皆さんとの声の競演、そして最終シーンでの饗宴の舞台・・・日生劇場の会場とご来場頂いたお客様も含めて、みんなで共有した幸せなひと時をロッシーニはきっと微笑ましく見ていてくれたと思います。
この難しいオペラを日本人キャストだけで、しかも全ての役柄で2組の歌手(34人!)を揃えられる藤原歌劇団の底力に、3年前に入団しましたが今回改めて驚かされました。それぞれすでにプロフェッショナルな活動をされているキャスト皆さんが、ゼッダ先生のもと本当に真摯にこの作品に取り組みむ稽古風景も含めて、団員としてだけでなく日本で歌手活動をするひとりとして、この歌劇団を心から誇らしく思いました。素晴らしいカンパニーに参加させて頂いてとても幸せでした、感謝の気持ちでいっぱいです。
そしてやっぱりゼッダ先生。もしかしたら日本で(世界中で?)この作品を指揮されるのは最後かも、とご自身が思っていたかどうかは分かりませんが、本番最終シーンのコリンナの長大なアリアの最中では指揮の手を止めてじっと眼を閉じて聴き入っておられた様に見えました。舞台からその姿を見て感動してしまいました……ゼッダ先生から伝えられたロッシーニ、芸術、音楽をこれからも大切にしていきたいと思います。
松本重孝先生の色彩豊かな舞台と衣装、そしていつものように素晴らしい照明がステージを彩って下さいました。この作品らしい、華やかな舞台をたくさんのお客様からご好評頂いたのも素敵な演出あってのことですね。松本先生とは「タンクレーディ」以来、ロッシーニで2作品目の共演でしたが、祖国存亡と娘との狭間で悩む重厚な老国王(アルジーリオ役)と女たらしの青年騎士(ベルフィオーレ)という両極端な役柄でご一緒したことになります。またいつか、もう少しニュートラルな役でご一緒できるよう頑張りたいと思います!(笑)
しばらく「ランス~」の音楽と舞台の記憶が頭から離れそうにありませんが……幸せな記憶に浸りつつ、また次の本番の準備を頑張ろうと思います。Viva Rossini,viva Maestro Zedda!!
(※4日公演組のキャストでゼッダ先生に寄せ書き。写真はゲネプロ終了後の舞台上で。)