かつて学生だった自分も出演した、名古屋芸術大学大学院修了演奏会で歌ってきました。
約20分間、オペラのハイライトを歌うプログラムなので、重唱の相手役として本校では「実技補助員」という肩書でプロ歌手が学生それぞれの担当教員から依頼を受けてリハーサルと本番で一緒に演奏するというシステムがあります。今年は2人の学生=2作品(「愛の妙薬」「ラ・ボエーム」)と関わらせて頂きました。
修了演奏会では同大学教員や卒業生、地元プロオケメンバーによって構成されたハイレベルなオーケストラに伴奏して頂き、大学院生とは言えまだまだ「声楽家の卵」である若い学生たちにとってはこの機会が極限までに緊張、畏縮、興奮することは間違いありません。その心細さや不安は、それまでピアノ伴奏で経験している毎年の試験やオーディション、仲間と一緒に歌うオペラ公演とは心配や不安の気持ちに格段の違いがあるはずです。
その緊張や不安を少しでも和らげるよう、学生が出来るだけ本来の実力を出せるよう、「クッション」としての役割も実技補助員にとって大事なことかもしれません。自分もソプラノの先輩歌手に実技補助員として助けて頂きましたが、一人でアリアを歌う時よりも二重唱の時の方がはるかにリラックスして歌えたことを覚えています。(ちなみにその時も「愛の妙薬」でした。)そしてその時の記憶が、今こうして自分がその立場になって学生と接する際のモチベーションとなっています。
昨日は二人とも素晴らしい演奏でした。実力を十分に発揮できる姿にうらやましささえも感じましたね……自分の時はアリアで高い声が”ド派手に”ひっくり返ったものです。(笑)オペラ歌手には度胸も大事!素質に溢れた二人に心からの拍手と声援を送りました。またいつか舞台で会いましょうね!
(※写真はリハーサルの様子と、終演後に担当の先生と、ソロで出演されたもう一人の大学院生さん。ご指導された先生もホッとされた瞬間でしょうか?本当にお世話になりました&お疲れ様でした。)