公演終了から10日目。このブログでひと区切りですが、まだまだ『トゥーランドット』の余韻は続いています。
今回のプロダクションに参加させて頂けたおかげで、たくさんの幸せと喜びを出演者の皆さん、スタッフの皆さん、そしてお客様と分かち合うことが出来た訳ですが、この記憶に残る公演のご報告の最後に登場してもらうのはこの度共演したキャストの皆さんです。
文字通り、全国各地から団体や出身地の垣根を越えて集まった素晴らしい歌手の皆さんと過ごした時間は、このオペラカンパニーに参加できた最良のご褒美だったかもしれません。
数ヶ月にわたってこの大スペクタクル作品のリハーサルを共に積み重ね、休憩中には一緒に食事をしたり、時には冗談を言ったりふざけあったりしながら、本番が迫ってきた数日間は夜の稽古終了後に連れ立って食事に出かけ、同じホテルの朝食バイキングで挨拶を交わしてまた一日が始まる……それこそ寝食を共にするかのような「親近感」を共有して本番を迎えることが出来ました。(あ、お部屋はもちろん別々ですよ!!笑)
「リューの死の場面」がひと際感動的なシリアスなオペラの内容とは裏腹に、稽古場でもオフの時間でも笑いの絶えない明るい現場だったことは、きっとリラックスして歌い演じることやお互いの意見交換をやりやすいものにしてくれたはずです。
みんなのために度々お食事会をセッティングして下さったオペラ制作実行委員の鈴木さんはじめ、周りの皆様の温かいご支援とバックアップのおかげもあって、本番まで体調を崩す人も無く、両組合わせて17名ものキャスト全員がこの公演の大成功の瞬間に居合わすことが出来ました。
私自身、声楽の中でもオペラの道を選んだのはこうした「人と人とのコミュニケーション」が好きだからかもしれません。歌手という基本的に孤独な職業の中で、オペラの現場は様々な年代やキャリア、異なる歌唱技術や、色んな性格、考え方を持つ人間の集まる所です。そうした中でも今回のように笑顔溢れる素敵な共演者さんたちとお互いを認め合い、尊重し合い、胸襟を開いて一度きりの本番に向けてスクラムを組んで取り組めたのは本当に幸せでした。
写真は初日終演後の打ち上げで。初日組はこの日でひとまずお役御免なので(契約上は翌日のキャストのアクシデントによる緊急代演の義務もありました)ささやかながら祝杯をあげました。みんなホッとしてるような充実感に溢れてるような、すごく幸せな表情になってました!(誰だ、左端で顔真っ赤っかなのは!!笑)
リハーサル中に何度その素晴らしい歌に耳と目と心を奪われたことでしょう。皆様それぞれのこれからの益々のご活躍をお祈りせずにはいられません。そしていつの日かまた、舞台でご一緒できたら嬉しいです!!本当にありがとうございました。