大阪の音楽ホールデビューとなった3月8日のコンサートが終了しました。
プログラム内で7曲歌いましたが、振り返ってみれば、プログラム全ての曲を日本語で歌ったのはこれが初めてだと思います。会場、レパートリー、共演者皆様と「初めてづくし」のコンサートとなりました。(余談ですが、宿泊した「ホテル・ニュー・オータニ」も初めて!笑)
言葉に関しては、イタリアでイタリア人の聴衆の前でイタリア語を歌うプレッシャー以上に、日本人である自分が日本語を歌うこと、ましてや今回の山田耕筰や民謡のような前時代の言葉遣いを自分より年配の方が多いお客様に歌う不安は、自分にはやはり大きいものでした。
これまで日本語の曲に触れる機会や声楽作品における日本語の発音の研鑽経験は極めて乏しく、それがいきなりピアノの花岡千春さん(※写真左)はじめその道の一流の共演者に混じって演奏する緊張感、畏縮する気持ちをなんとか乗り越えたいと、、自分なりに準備して本番に臨みました。
普段慣れ親しんでいるカンツォーネも、今回ばかりは勝手が違って、メロディーのラインよりも日本語訳の歌詞にグッと集中して歌ってみました。そうすることでいつもと一味違った雰囲気のカンツォーネの演奏になることに気付くことが出来ました。
「箱根八里は」「松島音頭」などでは、まだまだ曲想がつかみ切れず”フワフワしている”自分の未熟な演奏を、花岡さんの素晴らしい伴奏のサポートが絶妙な直地点に導いて下さいました。
そして自分より何よりも、今回の共演者お二人(Sp菅英三子さん、Br三原剛さん※写真右端)の洗練された本物の日本語歌唱に触れることができたのが一番嬉しかったです。当日のナビゲーターで、いずみホールの音楽ディレクターでもある磯山雅さん(※写真右から2人目)が、本番のお二人の演奏を聴いて舞台上で涙を流されていたのが印象的でした。
いずみホールの噂に違わぬ抜群の音響、そして美しいホール内デザインと満員のお客様に囲まれて、幸せな時間を過ごすことが出来ました。ありがとうございまいした。今年12月にまた出演させて頂く予定です!!