共演者さんの紹介⑤

第5回でご登場頂くのは、公証人役のテノール・藤原海考さんです。

藤原海考Fujiwara Kaikoさん(素敵なお名前ですね!)が演じられる結婚公証人(現代だと結婚式場の牧師さんの役割でしょうか?)、イタリア語でNotaro(ノターロ)という役ですが、『夢遊病の女』に限らず『愛の妙薬』『ドン・パスクワーレ』『ジャンニ・スキッキ』など、様々なオペラでの婚礼シーンに必ずと言っていいほど登場するオペラの世界の典型的な役柄です。(ちなみに類似の典型的な役柄として、侍女、小姓、伝令、役人などがあります。)

 

私もイタリア留学中に『ドン・パスクワーレ』に出てくる同役を演じた経験がありますが、その特徴的なキャラクターは特に喜劇(オペラ・ブッファ)においては”お約束”とも言えるお決まりのコメディーな歌なりお芝居なりを求められる事が多いようです。

 

 

今回も例に漏れず、演出家の希望により大変特徴的なキャラ設定が与えられています。それこそ”ネタばれ”になるといけないのでダイレクトにはご披露できませんが、そのひとクセある物の言い方は、演出家の弁によれば「一生懸命伝えようと焦り過ぎているだけ」なんだそうです。(さぁ、いよいよ皆様もこのオペラを直接見てみたいとお思いになりだしたのではないでしょうか??笑)

 

 

 

『愛の妙薬』と同じく、この『夢遊病の女』の楽譜にはどこにも”喜劇=オペラ・ブッファ”とは書かれておらず、楽譜のはじめのページに”Melodramma(メロドランマ=メロドラマ、恋愛を主とした感傷的な歌演劇)”とあるだけです。

 

しかし作品全編がいわゆる”ベルカント・オペラ”の特徴でもある、優美で甘いフレーズを代表とする格調高く気品に満ちた音楽が支配する中で、喜劇的要素を持つこの公証人の登場は一服の気つけ薬であり、また強烈なスパイスとして大きなインパクトを与えてくれます。

 

こと、今回の演出家(岩田達宗氏)の作りだす『夢遊病の女』の世界観において、藤原さん演じる公証人はこの演出家の作品に対する”意図”を具現化する存在とも言えるのかもしれないと、リハーサルを見ながら個人的に感じているところです。

 

 

写真をご覧頂けるとお分かりのように、このカッコいい藤原さんが衣装やメイクでどのように変装・扮装するかも見ものですね、絵コンテでは十分にその”うさんくささ”が描写されていましたが本番ではいかに??

 

ご興味を持たれた方、その目で直接確かめたくなった方、今すぐチケットのご注文をー!!(笑)