あさって31日は大阪で「カルミナ・ブラーナ」に出演します。
大編成のオーケストラと児童合唱団も含めた大人数の合唱を伴って上演される「カルミナ・ブラーナ」は世俗的カンタータと呼ばれるジャンルの楽曲で、多言語による歌詞や変則的なソリスト(Sp/Tn/Br の3名で歌唱機会が不均等)、ピアノやチェレスタなど普段はオーケストラに編成されない楽器の登場など様々な面で異色な作品であるにもか関わらず、そのメインテーマはテレビ番組やCM、ゲーム音楽などでも聴かれるほどよく知られています。
全曲で約60分の大曲のうちテノールソロの歌唱場面はわずか2分余り、18小節しかなく(しかも6小節の短いフレーズを歌詞を変えて3回繰り返すのみで、オーケストラ伴奏の和音はその間なんと、全く変化しません!)、なおかつ不自然に高い音域と異様なメロディー、高いD音まで達する超高音が求められています。自分のレパートリーの中でも”異端”なものの一つですが、今回がどんな上演になるのか(指揮者の飯森範親さんのご意向で、なにやら歌唱以外の部分でサプライズ的なことが盛り込まれるそうで…?)今から楽しみにしています。
この「カルミナ・ブラーナ」の大合唱との共演をはじめ、3/16の某企業さんの社内合唱大会の審査員や、多い時は1週間に3回もの合唱指導、さらに来月も見ず知らずの合唱団さんから臨時のボイストレーニングをご依頼されたりと、今年のこの時期は同じ声楽でも合唱にまつわるお仕事が連続しています。留学中のスカラ座の研修所では合唱団養成コースで学びましたが、時を経てこうして合唱とのご縁が充実してくるとは夢にも思っていませんでした。特にアマチュア合唱愛好家の方々との触れ合いは、ジャンルは違えど「歌を愛する」というところでは全く共通しているので、好きな事をとことん掘り下げる楽しさ、答えやゴールの無い事にこだわり続ける面白さを感じることが出来る至福の時間となっています。
普段ソリストとして孤独の中で練習や研鑽に励む者として、お仲間と一緒に歌える合唱の魅力をいつもうらやましく思いながら、これからも頂いた機会の中で合唱との充実したお付き合いが続けられたらいいなと願っています。31日の「カルミナ・ブラーナ」も合唱の迫力や美しさをどうぞ聴きに来て下さい!
(※写真は過日、審査員を務めた某企業さんの合唱大会の断片。トロフィーには第1回から今回の59回まで全ての優勝団体が記された栄光のリボンが!まさに温故知新、社内レクレーションの中にも伝統を重んじる素晴らしい社風に感激しました。)