5月7日のオペラのリハーサルのため、毎週末は豊橋市へ通っています。
三河市民オペラさんの主催でゴールデンウィーク最後の土日に上演される「アンドレア・シェニエ」(U.ジョルダーノ作曲)はめったに全曲上演されることのない作品ながら、その美しく情熱的な歌や音楽のメロディーの数々と、フランス革命を題材にした虚実入り混じるスケールの大きなストーリーでイタリアオペラファンなら誰もが待ち望む隠れた人気演目です。プッチーニをはじめとするロマン派作品やヴェリズモ(写実主義)の作品がお好みの人ならきっと一度は鑑賞してみたいと思われるのではないでしょうか。
今や国内市民オペラの代表的、モデル団体的な存在ともなってきた三河市民オペラさんの本拠地があるのが愛知県豊橋市です。愛知県内では「東三河」と呼ばれる地域で、すぐお隣は静岡県浜松市です。合唱の皆さんのほとんどは豊橋市とその周辺地域に在住の方々で、一方オーディションを経たプロのオペラ歌手で構成されたキャストの多くは東京や大阪から新幹線などではるばる稽古に通っています。(ちなみに私は、往路は名古屋市の自宅から在来線で稽古場へ行き、勤務する大学の新学期がスタートしたので稽古後の復路は新幹線で東京に移動、というルーティンです。)
豊橋市内のいくつかの施設を借りて毎週色んな会場でリハーサルを行っていますが、何せフランス革命を題材にしていることでもお分かりのように、出演者が多い大所帯のオペラ作品ですのでそれなりの大きな場所でなければリハーサルが出来ません。市内の小中の学校、大学、公共ホールなど、主催者さんのご尽力と豊橋市全体のご協力のおかげでいつも十分なスペースが取れる会場でリハーサルさせてもらえることに感謝すると同時に、三河市民オペラさんの長年の功績への信頼と今回の公演への町全体からの期待感が伝わってきますね!
世界的にも珍しい(?)現象とも言われる「市民オペラ」という日本独特のオペラ上演スタイルの成功例として、今回もまたその”雄”である三河市民オペラさんが本領を発揮され、きっと全国のオペラ関係者から惜しみ無い賛辞が寄せられることになると思います!(10年前の2013年にも出演させて頂きましたが益々ご発展されています。)指揮者の園田隆一郎さん、演出の高岸未朝さんをはじめ、国内トップレベルで活躍される素晴らしいソリストの方々、オペラを愛する市民合唱の皆さん、プロのオーケストラ、そして支えて下さるスタッフの皆さんたちとご一緒出来る幸せを感じつつ、気が付けば次が通し稽古という佳境に入ったリハーサルを引き続き頑張りたいと思います。
(※写真上:豊橋市の位置。赤い枠。 左下:とある日のリハーサル会場だった市内中学校の体育館。この日は衣装&カツラ合わせで、わざわざ東京から国内オペラ業界の最前線でお仕事される一流のオペラ専門スタッフさんたちも来訪されていました! 右下:豊橋駅から、風情のある路面電車に乗り換えて稽古場に行くことも。広島の”チンチン電車”やミラノの”トラム”にもよくの乗ったなぁ…。)