中学校教員時代にお世話になった学校の行事にお邪魔して来ました。
イタリア留学前の一年間だけ、非常勤講師として音楽の教員を務めた中学校(男子校)からお声がけを頂き、全校のクラス合唱大会の審査をして来ました。会場はよくある校内の体育館などではなく、名古屋市公会堂という立派な公共ホールに全校生徒と保護者が集合して開催されました。自分が中学生の時にはこんな経験は無く、公共ホールのステージでクラスの仲間と合唱出来る思い出が作れることを羨ましく思いました!
毎年開催していたクラス合唱大会ですが、コロナ禍で今回が3年ぶりの開催となったそうで、生徒さんはもちろん保護者や最近赴任された先生方などほとんどの人にとって初体験とのことでした。また生徒さんたちは普段の練習中も基本的にマスク着用で本番当日を迎え、本番だけマスクを外したクラスメイトの歌う姿を見ることが出来たそうです。見守る先生方や保護者たち周りの大人も含めて、感慨深い行事となられたことでしょうね。(3年生は校歌を歌う機会も無いまま卒業するのだそうです。)
クラス合唱の内容はどの学年も白熱して、一緒に審査した先生方と採点を付き合わせても僅差で順位が変動する接戦の連続となりました。結果発表でも同点一位が出て賞状の準備が間に合わないなど大盛り上がりでした!多感な年齢の中学生ですが、名古屋中学校は男子校ならではの”照れ”のない明るさと素直さ、楽しく笑い声やざわめきも起きつつ締める時はきちんと締まる行儀の良さなど、伝統的な校風が今もしっかり引き継がれていて懐かしかったですね。クラス対抗となると燃えるものもあることでしょう、大きな会場にひるむことなくしっかり声も出ていましたよ!
たとえ多少音程やリズムが外れたとしても、クラスメイトとマスク無しで思いっきり声を出して必死に歌う彼らの姿を見ながら、ジーンとしっぱなしの2時間半でした。終演後、懸命の審査でヘトヘトになりつつも清々しい気持ちで「栄光の架け橋」と「オ・ソーレ・ミーオ」を音楽の先生のピアノ伴奏で歌わせて頂きました。中学生の熱いステージからしっかりエネルギーを受け取って歌いました!
この春から高校生に、上級生になる生徒さんたちには、少しでもよりポジティブな環境で歌や音楽に接することが出来るよう願って止みません。そして様々なリスクのある中で素晴らしい機会を生徒たちに与えられた学校関係者皆様に心から感謝致します、運営お疲れ様でした!
(※写真上:会場の名古屋公会堂ホール内。HPより。 下:当日のパンフレットと審査の採点用紙。音楽大学や声楽コンクールなどの審査よりシビアな採点基準項目でした!)