桜美林大学の新ホール

昨日は講師として勤務する桜美林大学の新ホールで審査員でした。

 

 

東京都町田市の町田駅から公共バスで約20分、大きな団地の一角に桜美林大学ひなたやまキャンパスがあります。総合大学なので色んな学群(いわゆる学部)があるのですが、ここは「芸術文化学群」だけの独立したキャンパスで、音楽や演劇、美術系などの専修(いわゆる学科)で学ぶ学生が通っています。コロナ禍の2020年春に新設されたのですが、当時は休校やオンライン授業の徹底、サークル活動の全面禁止などでせっかくの新しい校舎にも学生や教員が足を踏み入れることが出来なくて本当に残念な思いをしました。ここにきてようやく対面授業やサークル活動も徐々に回復し(感染状況によって中断や休止を挟みながらですが、)、4〜7月の授業期間はキャンパス内のロビーや共有スペースなどに学生の姿が増えてきて、まだまだ聞こえて来る会話の声は控え目ながらも、徐々にキャンパス全体に活気が出て来たところです。(現在は夏休み中。)

 

 

本校舎完成に遅れること約2年、今春には校舎に併設される形で新しい音楽ホールが完成しました。特に音楽系の学生及び教員たちには嬉しいことで、授業などで早速ホールを利用した学生たちから何度も喜びの声を聞いていました。そして昨日、ようやくそのホールに初めてご縁を頂いたので中に入ることが出来ました。

 

 

新設ホールの活性化と大学への入学勧誘を念頭に、大学関係部署の主催で高校生向けの音楽コンクールが初開催され、その審査員としてホールを訪れました。完成数ヶ月の新しいホールに行く機会などそうはありませんので、コンクール開始前に審査員席に着席してしばらくの時間は、その清らかで美しい劇場内をじっくり観察して過ごしました。これからきっとたくさんの学生や教員、演奏家、そして観客がこのホールと関係を築いて、桜美林大学芸術文化学群の”殿堂”となっていくことでしょう。

 

 

コンクールは第一回ということで参加人数こそ多くなかったものの、部門によっては予想以上にハイレベルな演奏がいくつも聴けて、音楽での進学を念頭に日々の練習やレッスンに励む高校生たちの熱意と演奏技術に感心しきりでした。クラシックは電気(=マイク)の無い時代の文化ですので、こうした素晴らしい音響のホールのステージから生の音で演奏することが、若い彼らの音楽的感性を刺激し、さらなる成長の一助となれば嬉しいですね。(なおコンクールは来年も開催予定です。)

 

 

演奏家にとってホールは大切な”パートナー”ですので、こうしてまた新しいホールに出会えて幸せですね。いつか歌える機会があることにも期待しながら(笑)、これからのホール及び大学のご発展をお祈りしています。

 

 

 

(※写真左:コンクールのホームページより。  右上:ステージ正面。カトリック系大学らしく、立派なパイプオルガンも設置されています。  右下:ステージから見た客席と会場全景。色合いのセンスが素敵過ぎます!)