なんだか寂しい…王様役との別れ

上野の旧奏楽堂での「ポントの王ミトリダーテ」が終演しました。

 

 

合計約3時間半の大作でしたが、終わってみるとあっという間に感じる作品でした!タイトルロールのミトリダーテ王に限らず、主要キャスト全員がどの幕でも重要なアリアが与えられ、脇を固める役にもそれぞれ立派な(高難度な)アリアがあるという珍しい音楽構成のおかげで、本番中も出演者みんながその興奮や緊張感を共有しました。そのおかげで自然と出演者同士の団結力も高まり、楽屋やステージ袖で出番の前後にお互い声をかけ合う場面も多かったです。

 

 

リハに続き本番中も色々と助けて頂きました高野マエストロ、アンサンブルKの皆さん(1日で2回!)、限られたリハの回数とコロナ感染対策への配慮という難しい条件の中でも素敵なステージを作ってくれた演出の舘さん(楽譜に無いキャラクターとして”14歳のモーツァルト君”という黙役を創作されました!)と舞台関係スタッフ、そして共演させて頂いた出演者の皆様、本当にお疲れ様でした!かっぱ橋歌劇団さんの公演には初めての出演でしたがとても楽しかったです、ご縁を頂きありがとうございました。そして、王様役が終わってしまって、今はとても寂しい気持ちです!!

 

 

セミステージ形式ということでもちろん音楽=歌がメインの上演でしたが、衣装やメイクを施すとやはりオペラの視覚的魅力も高まりますね。前日のゲネプロで初めて衣装を着て、ぶっつけ本番でメイクとヘアメイクが入ったのですが、鏡に写る姿を見るとより役柄のイメージが具体的になって、最後の最後で一気に歌や演技が”王様らしく”なれたような気がします。衣装を提供頂きました主催者さま、そしてメイクスタッフさま、素晴らしいお仕事ありがとうございました!

 

 

難曲ゆえにまだまだ技術が追い付かない部分もあり、またいつか機会があったらトライしてみたい作品となりました。モーツァルトの天才にあらためて感嘆しつつ、これからもこの作曲家の音楽に親しみを持って触れられる機会を大切にしたいと思います。(今週末はモーツァルトから、一気に現代音楽の世界へ!)

 

 

 

(※写真上:第3幕の様子   中:終演後のステージ上で。旧奏楽堂にオペラの衣装で出演した貴重な記念となりました!   下:カーテンコール。観覧者様からのご提供。)