6日(日)は愛知県稲沢市で、ベートーヴェンの作品を2つ歌いました。
最初に歌ったのは「幻想合唱曲」で、こちらは今回が初めての歌唱機会でした。オーケストラ、合唱、ソリスト(6名)に加えてメインとしてピアノが編成されているのが特徴的で、タイトルにある「合唱曲」と言うより、むしろ「ピアノ協奏曲」に声楽が加えられたような構成(約20分の演奏時間の内、合唱とソリストの出番は最後の5分ほど)の曲でした。
ピアニストの秀平雄二さんはこのブログにも何度も登場されることでもお分かりのように、自分の歌の伴奏者としてこれまで数多くの舞台で共演して来たパートナーでもありますが、この日は合唱やソリストよりも重要な役目を担当されてその卓越した実力を存分にご披露してくれました。オーケストラとの呼吸もぴったりで、普段から歌や楽器奏者との合わせ物を得意とする秀平さんの面目躍如とも言える素晴らしい演奏でした!
そして2曲目はお馴染みの「第九」で、この日は四楽章のみの上演だったので短い時間でしたが、合唱が歌い切ってオーケストラの後奏が終わった直後には会場全体から大きな拍手が沸き起こりました。合唱はコロナ感染予防対策のためステージの前面の左右に分かれて配置され、客席に半ば”お尻を向ける”ような形でステージ中央の指揮者を見ながらの歌唱でしたが、変則的な状況にも関わらずしっかりと音程や縦の線も揃って本当に素晴らしかったです!(指揮者を見る合唱の視線の先にソリストが配置されていて、お互いに歌う時も待っている時も見られている感覚になったので、あまり居心地は良くなかったかもしれませんね!笑)
2年前のコロナ禍になってすぐの上演予定だったこの演奏会ですが、延期の間も合唱団の練習中止やソリストのメンバー交代など様々な問題を乗り越えての上演達成となったそうです。運営にあたられた関係者皆様、苦境に耐えて本番のステージに立たれた市民合唱団の皆様には心からおめでとうございましたと祝福の言葉をお伝えして、2年越しでご縁を頂いたことにあらためて感謝申し上げます。またいつか稲沢市で一緒に歌えますように!
(※写真上:リハーサルの様子。オーケストラの前にピアノ、その前にソリスト。本来はメインのピアノが一番前に配置されるのですが、飛沫感染予防のためソリストが前になりました。ステージ前面の左右の椅子は合唱の皆さん用。 左下:前日のリハーサルにて。 右下:本番終了直後にソリストとピアニストの秀平雄二さん、指揮者の古谷誠一先生と。)