1週間前ですが、名古屋の「ホフマン物語」が無事終わりました。
全5幕の大きな作品で、幕ごとにお相手の恋人役もストーリーも異なるというこれまでにない複雑さや難しさもありましたが、それだけに大変やりがいもありました。6月から断続的に音楽稽古と立ち稽古を重ねてきましたが、リハーサルに来るたびに新しい事を発見できる喜びがありました。
会場の愛知芸文は本当に大きな空間ですが、久しぶりのこの劇場独特の雰囲気を舞台で感じながら歌いました(ありがたいことに出番が多い役だったので!)。キャストの数も多く、合唱やオーケストラも含めて大人数で大作に挑む「これぞオペラ!」という機会は自分にとっては案外多くないかもしれません。ゲネプロですでに、「あ〜、もうすぐ終わるな〜」と寂しい気持ちになりましたね。でもこの儚さ、生まれた瞬間から消えていく芸術こそ音楽の醍醐味です。
主人公ホフマンは恋愛や人生において敗者(全てうまくいかない)として書かれているのですが、最後のシーンは詩人としてまた新しい文章に取り掛かる、という演技で幕が閉まりました。それこそオペラの中のシーンそのままに、仲間とお酒でも飲みながら過去を振り返って愚痴るのも実は楽しい時間なのですが(笑)、やはり前を向いて次に向かうエネルギーも大切ですよね。あまりに大きな舞台だったので”ホフマン・ロス”な1週間を過ごしましたが、本格的に次の公演に切り替えなきゃと思っています。
「ホフマン物語」公演でお世話になった皆様、たくさんの拍手を送ってくれたお客様、どうもありがとうございました!機会があればまたいつかこの作品と出会いたいと思っています。
(※写真は終演後の舞台上で!)