モーツァルトの初オペラ作品

今日と明日「バスティアンとバスティエンヌ」を上演します。

 

 

主催の愛知県文化振興事業団さんの本拠地、愛知県芸術劇場の小ホール(約280席)で全3回公演が予定されています。小ホールはもともと演劇や多目的用を想定された作りでしたが、先日までの改修工事を経て音響面もクラシック音楽向けに改良されたそうです。

 

 

とは言え本質的には改修前と同じ用途の劇場なので、声楽的、器楽的な響の豊かさ(残響など)よりもセリフの声(喋る声)が明瞭に聞こえることに優れた会場です。普段のコンサート会場やオペラ劇場とはひと味違う聞こえ方も含め、この会場ならではのオペラ上演を楽しみにしています。(専用のピットが無いため、オーケストラは舞台の上に配置されます。南座や新橋演舞場での「蝶々夫人」公演と同じく、舞台上の右端にオケを配置して指揮者も”丸見え”のこのセッティングは、案外とお客様にも好評のようです!)

 

 

上演前なのでネタばらしは禁物ですが、今回はとにかくオーソドックスな上演とはかけ離れた、奇想天外なオリジナル台本の世界観にご期待下さい!作品の多様性、解釈や再演時の表現の自由さ、幅広い許容範囲など、改めて芸術の面白さを感じながら稽古を重ねてきました。ましてやこのモーツァルトのオペラ処女作(※12歳で作曲されました!)である「バスティアン〜」は、それほど頻繁には上演されないことや映像資料もほとんど流通していないこともあり、見る側もやる側も新鮮に向き合うことが出来る作品なので、先入観無く心からワクワクしながら楽しむことが出来ると思います。

 

 

せっかくの演劇用の会場ですので、逆に大きなオペラ劇場では難しい今回ならではの表現を、この機会に存分に楽しんでみたいと思います。あっと驚くようなシーンが散りばめられた舞台を皆様どうぞお楽しみに!

 

 

(※愛知県芸術劇場のツイッターより、ゲネプロ時の写真を転載。バスティアンの衣装やメイクはいたってオーソドックスですが…さて??)