27,28両日は名古屋市でロッシーニの「ランスへの旅」に出演しました。
諸事情から全体の上演時間が限定されていたため大幅なカットはあったものの、それでもこの作品を2日連続で無事上演出来たことは本当に凄いことだと思います。若手中心の出演者みんなのエネルギーがそれを可能にしてくれたように思います!14重唱ではアンコールも出るほどの大盛況でした。
「ランスへの旅」は知る人ぞ知る作品として諸々曰く付きのオペラですが、何度やっても共通する感想は「楽しかった!」という生理的な感動、興奮です。お客さんにももちろん楽しさが伝わってくれたと思いますが(今回はポップでスタイリッシュな舞台で、ますますハッピーな気持ちにさせてくれた素晴らしい演出でした!)、もしかしたらそれ以上に歌う側、演奏する側が楽しいと感じられる、特に演奏家にとって魔法のような作品だと思います。最初に楽譜を見てその難易度の高さにたじろぐところから徐々に自分のものになっていく快感、多数のソリストがひしめきあうリハーサル風景も含め、やはりこの作品ならではの底抜けの楽しさを今回も感じさせてもらいました。ブッファの時は特に、明るい現場、笑顔の絶えないリハーサル現場が大好きなのでとても幸せでした。出演させて頂きありがとうございました!
名古屋市がランス市と姉妹都市提携をしたことも上演のきっかけだそうですので、もし可能なら<日本唯一の「ランスへの旅」を頻繁に上演する都市>になってくれたりしないかな〜…なんて淡い希望を持っていたりします。何せ実力のある若い歌手たちが揃っているので、ペーザロのロッシーニアカデミーにも通じる、この作品の継続的上演が実現したら本当に有意義なことですね。(姉妹都市という”大義名分”があるのは名古屋市だけ??なので最高のシチュエーションだと思うのですが…)
来年9月は新国立劇場で「ランスへの旅」に出演予定です(藤原歌劇団のHPに詳細)。、王様の戴冠式を題材とする「ランスへの旅」を、日本で元号が変わる特別な年に上演するのはメモリアルなことですね。今回の上演後の幸せな気持ちを胸に、来年もベルフィオーレ役で頑張りたいと思います。