「ファウスト」終演!

関西二期会公演「ファウスト」が終わりました。

 

 

レパートリーとして初めて、フランスオペラの大作を存分に体験させてもらいました。どの場面も印象深く、歌と音楽には叙情的な性格と劇的な性格が交互に表れていて、本番では各場面のファウスト役を異なる印象で演じられるよう意識しました。ドラマが深く、十分に複雑な内容にとまどうこともリハーサル中はありましたが、終わってみるとまたもう一度演じてみたいとすぐに思いました。

 

 

演出家パオロ・パニッツァさんの舞台は現代的演出らしく抽象的で機能的で、部屋を型取った3つの四角い装置は裏方さんの人の手によって自在に回転したり位置を移動しながら、各場面展開を分かりやすく表現されていました。劇場で実際のセットで練習出来たのは場当たりとゲネプロのみだったので、本番はうまくいくか不安もありましたが、素晴らしい舞台スタッフさんのお仕事により滞りなく演技することが出来ました。そして照明の美しさやスモーク(煙)の活用など、いかにもイタリア人らしい美的感覚で常に舞台が美しく見えていたと思います。

 

 

園田隆一郎さんの指揮に導かれた大阪交響楽団の演奏も本当に素晴らしく、アリアや二重唱では弱音の美しさで何度も会場を陶酔させてくれました。もちろん、歌っている本人が一番感動的でしたね!

 

 

またバレエは力強くも甘美なステージで特に4幕は盛大に盛り上げてくれました!そしてプロフェッショナルな歌手も多くメンバー入りした合唱はたくさんの場面で活躍され、迫力ある歌声と繊細な音色を駆使しながらハイレベルな演奏を聴かせて下さいました。さらには、歌わないものの演技で今回の演出のアクセントとして見る人を引き付けた助演の皆さん(関西二期会の研修生さんたち6名)の奮闘ぶりに、心から拍手をお送りしたいと思います。

 

 

このような素晴らしいカンパニーに参加させてもらえて本当に幸せでした。関西二期会の皆さん、関係者皆さん、どうもありがとうございました!

 

(※写真上は当日の衣装2パターン。真ん中はカーテンコール直後の舞台上で出演者全員で。下左はメフィストフェレスの片桐直樹さんとマルグリートの尾崎比佐子さんと。下右は右から園田さん、パニッツァさん、本人、演出助手兼通訳の高木愛さんとセットの中で。)