伯爵→農夫→王子

群馬県大泉町での「理髪師」を終え、今日は神奈川県で「妙薬」のオケ合わせです。

 

今年の秋のオペラ出演では、まず昨日の「セビリャの理髪師」では恋に狂った伯爵を、来週の香川県での「愛の妙薬」では純朴な農夫を、そして11月の大阪での「魔笛」では試練に立ち向かう王子を演じさせて頂きますが、いずれの役柄にも共通するのは、やはり「愛」というテーマです。いかにもオペラらしいですね!

 

 

オペラの題材は様々ですが、偶然にもこの3つの役柄(アルマヴィーヴァ伯爵/ネモリーノ/タミーノ王子:いずれも自分の大事なレパートリーとして複数回出演してきました)はみんな一途にも一人の意中の女性を愛し、結ばれるために身を呈して困難に立ち向かいます。

 

伯爵は決してその財力に任せることなく、(フィガロの発案に頼りながらも)変装を繰り返して果敢に相手の懐に潜入し、機転を利かせてついには恋人を我が妻にします。

 

奥手なネモリーノは”妙薬”という触れ書きのワインの力を信じ、命の危険を伴う軍隊に入るという選択までして妙薬を手に入れます。もちろん、本当の意味での妙薬とは、愛を信じるネモリーノの純粋な心のことですなのですが。

 

そしてタミーノ王子は魔法の笛の力を借りて3つの試練をクリアし、ザラストロをはじめ神々に使える者たちからその成長を認められた末に、恋人パミーナと結ばれます。

 

 

どの役も真っ直ぐで、恋に盲目で、勇敢でロマンチストで…演じている自分が年齢を重ねていくほどに、益々愛らしく思える大切なキャラクターたちです!この短い秋のシーズンにまとめて上演できる幸せを感じながら、一つひとつ心を込めて演じていきたいと思います。

 

 

(※昨日の本番直後のステージで、共演キャストの皆さんと指揮者、ピアニストの先生と。短い準備期間の中でみんなで必死に仕上げていきました!忘れ難い舞台がまた一つ増えました…皆さんありがとうございました!!)