「世の中すべて冗談さ・・・」~公演を終えて~

「ファルスタッフ」が無事終演しました。出演者みんな、この作品に名残惜しみながら・・・

 

ファルスタッフ役の折江忠道さんを中心に25日組の出演者全員で、あるいは合唱を含む両組全ての出演者、音楽スタッフ、演出部など関係者全員でこの珠玉の作品に取り組んだ時間は本当に充実していました!オペラ公演の度に時間や経済を費やしてでも東京に長期間滞在するのは、じっくりと一つの作品だけに没頭できる環境を作るためでもあるのですが、今回はいつも以上にこの素晴らしい作品に”のめり込む時間”を楽しむことができました。

 

出演者としてはあっという間の3幕6場の上演でしたが、内容の濃い、丁寧に作り上げられた舞台をたくさんのお客様にご覧頂いて本当に幸せでした。ご来場頂いた皆様に心から感謝申し上げます。

 

 

87歳で世を去ったイタリアオペラ最大の作曲家・ヴェルディの遺作が、2015年1月2日に同じく87歳を迎えられたアルベルト・ゼッダ先生の指揮によって東京で上演されたことは何かの縁(えにし)でしょうか。

 

タイトルの「世の中全て冗談さ」というセリフは、オペラの最終シーンでファルスタッフの先導によって全員で歌われる”フーガ”の歌詞ですが、そのニヒリズムに満ちた言葉が、あれほど人間の真理・真実に迫ることを追及し続けてきたヴェルディという作曲家の最後のオペラのセリフというのがこの作品をたまらなく好きにさせてくれました。そして自分もヴェルディやゼッダ先生のように長生きしてみたい、その年齢になった時にどんな心境に自分が辿り着くのか知ってみたい、と思わせてくれました。(ちなみに私の祖母は白寿を迎えてなお元気です!)

 

 

終演後は演出の粟国淳さんはじめ、みんなで「またやりたいね!」と何度も願いながら楽しいお酒を飲みました!藤原歌劇団の本公演(今回は「創立80周年記念公演」となっていますが)は2010年以来今回で3回目の出演ですが、特に「ファルスタッフ」がアンサンブル・オペラということもあってチームワークが日に日に向上し、ようやく団員の仲間入りをさせて頂けたような気がして嬉しかったですね。

 

7月の「ランスへの旅」も頑張りたいです、引き続き藤原歌劇団をよろしくお願い致します!

 

(※写真は本番終演直後の舞台上で。絵になる一枚ですね!)