まえがき③~10/2「サロンの魅力」~

ご案内シリーズ、お待ちかね(?)のカンツォーネ・ナポレターナで最終回です!

 

太陽の国、海の国、歌の国。食を愛しマンマを愛す陽気な性格の人々は、時に他人にいっぱい食わせる智恵とずるさを身に付けて生まれ、「ぺラぺーラ」な話術とオーバーな手振り身振りでたちまちみんなを惹きつける……世界におけるイタリア全体の印象が凝縮された街は、ローマでもミラノでもなく、きっとナポリのイメージだろうと思うのです。

 

 

テノールの代名詞とも言うべきカンツォーネは無数にありますが、中でもナポリの言葉で作られたものが有名で、その独特の方言は洋の東西も時代も人種の差異も飛び越えて、さらに色濃く「The ITALIA」を私たちに感じさせてくれているように思います。

 

 

歌劇王カルーゾ(生粋のナポリっ子!)をはじめ、たくさんの、と言うよりほぼ全てのテノール歌手がカンツォーネ・ナポレターナを歌い、愛してきました。そんな先人たちの歌唱を聴いてこの世界に入った自分が、彼らが歌ったあのナポレターナをもっと紹介したい、あの曲も歌ってみたい、と思うのは当然の成り行きですね!

 

 

昨年のこのコンサートに続き、今回もカンツォーネ・ナポレターナを楽しみに来て下さるお客様もいらっしゃいます。題名もメロディーも初めて聞く曲だったとしても、日本人の我々にもなぜかどこか懐かしく、親近感さえ感じてしまうナポレターナ。直情的な言動を避け、常に理性を失わず、慎み深い国民性を持つと言われる日本人の私たちのはずですが、その音楽の魅力には抗えず心のどこかが共鳴してしまうのかもしれませんね。少なくともコンサート会場を出るまでは……

 

 

コンサート当日は岡本さんとの楽しいトークコーナーもあります。曲の解説もですが、イタリア生活のこぼれ話やイタリア人についての小咄(こばなし)(※特に岡本さん担当??笑)もファンの方々のお楽しみのひとつとなっています。お互いの表情が見えるサロンの小さな会場で、今年もここだけの特別な素敵な時間を皆さんと共有できることを今から楽しみにしています。

 

 

(※写真はナポリではありませんが、風光明媚な海辺の小さな町ヴェルナッツァのバールで偶然いたお店のお客が弾き歌いをプレゼント。謎の日本人女性もうっとり?歌や音楽が生活に自然に溶け込んでいる様子に憧れます。そうそう、本番では今年もギターで弾き歌いがあるかも??乞うご期待!)