「先生」への感謝~2つの演奏会に向けて~ ①

偶然にも27日(日)と31日(木)の2つ続けて、「先生」に思いを寄せるコンサートが続きます。

 

まず27日は、私が約10年間にわたって発声指導(ヴォイストレーナー)を務める男声合唱団「メンネルコーァ東海」でお世話になっている、水谷昌平先生の米寿をお祝いするコンサートです。

 

 

水谷先生の合唱指揮者及び音楽教育者としての多大なるご功績を讃えると同時に、先生のご長寿を祝い、これからの益々のご健勝を願って、これまで合唱や学校現場でご縁のある教え子さんたちが集まって歌で感謝と祝福の思いをお送りします。

 

 

音楽歴60年(!)を超える水谷先生の合唱のご指導はもちろん常に最大級に有意義な時間であり、また音楽上、譜面上の事にとどまらず、今は亡き往年の演奏家の思い出話や、山田耕筰、信時潔など水谷先生の音楽学校時代などに直接ご縁のあった作曲家たちへの感想・解説は、音大や辞書、ネットでの情報では決して知り得ない「生きた」情報として掛け替えの無い財産となっています(学生時代からのご友人であり、これまでも水谷先生のためにオリジナルの曲を何度もご提供頂いた、作曲家の大中恩さんも東京からご来場予定だそうです。)。

 

 

イタリアオペラをよくする者にとっては、オペラ字幕の先駆者として有名な武石英夫さん(戦後継続的に上演されて我が国へのオペラ普及に多大な業績を残したNHKイタリア歌劇団の数々の録画映像の字幕の多くは武石さんのものです。)とも東京藝大(当時の東京音楽学校)時代のクラスメートで深いご交友関係にあるということも驚きで、その縁で以前、武石さんとお会いして直接お話もさせて頂いたことがあります。

 

 

イタリアオペラを中心に取り組んできたため、恥ずかしながらこれと言って日本歌曲の分野のレッスンを誰かから受けた事は皆無なのですが、日本歌曲や日本の歌を演奏する際の言葉さばきやフレーズの取り方、さらには作品の解釈についてはほとんど水谷先生の教えに因るものです。自分のコンサートでよく歌う「さとうきび畑」「瀬戸の花嫁」など歌曲以外のものも、また兵庫の「セビリャの理髪師」などオペラの日本語上演の際にも、先生から教わった事を念頭に日本語を歌ってきました。直接マンツーマンのレッスンは一度も有りませんが、合唱団の練習冒頭の自分の役目が終わった後の約2時間、先生の指導を見学しながら色々なテクニックや解釈論を吸収出来た事を幸せに思いますし、これからも勉強し続けたいと思います。

 

 

米寿=88歳!!現役で指揮を振り続けられるご雄姿に憧れと尊敬の念を抱かずにはいられません!(なお当日はソロが「忘れな草」を邦語とイタリア語で、二重唱はDONIZETTIの「二声のための乾杯の歌(原題”I bevitori”)」を歌います。)

 

 

 

(②へ続く)