共演者さんの紹介①

今日からシリーズで、「夢遊病の女」の共演者の方々をご紹介させて頂きます!

オリンピックもお盆休みも終わり、本番まで一カ月を切ったここからますます稽古に力の入る日々。共演者と稽古場で一緒に過ごす時間も長くなり(14~21時)、客演の自分としては団員の皆さんとも打ち解けてきて、緊張感とリラックスのバランスがちょうど良く感じます。

 

 

と言う訳で、リハーサルの合間のオフショットと共に、今回の共演者をシリーズでご紹介していこうと思います。共演者の皆さん、ご協力ありがとうございます!

 

 

第1回の登場者はロドルフォ伯爵役のデニス・ビシュニャDenys Vishniaさん。

 

ウクライナのご出身で東京在住。その素晴らしいバスの音色はもちろん、細身の長身と長い手足で、オペラの設定であるスイスの村に突如現れた異国人そのままに、稽古中も耳と目と両方でうっとりさせてくれます。

 

落ち着いた”たたずまい”から年上かな?と思っていたら、以外にもひとつ年下でした(!)。ちなみに主役のアミーナ役の光岡暁恵さんも合わせて、9/9組の主要3キャストは同年代ということになりますね。

 

様々な言語に精通されていて、稽古場では演出家も指揮者もピアニストも、デニスさんには英語・イタリア語・日本語の3ヶ国語で対応されていますが、これまでの藤原本公演でもご出演経験もあってもちろんコミュニケーションはバッチリです。昨日は稽古の合間に二人で歌を始めた頃の昔話(デニスさんは軍楽隊の指揮者としてのキャリアもあるそうです)やヨーロッパの仕事事情などを話しました。ちなみになぜかイタリア語で(笑)。

 

 

 

彼の演じるロドルフォ伯爵という役は、普段は老人や父親、圧政者、大王、悪魔などが多いバスの持ち役としては異例とも言える、ダンディーな2枚目のキャラクターです。初日組の同役を演じる、日本を代表するバス歌手の妻屋秀和さんでさえ、1幕後半にあるリーザを口説くシーンやそれに続く夢遊病状態のアミーナとの小さいながらも美しい二重唱のリハーサルの際に、こうした女性とのメロドラマのシーンはほとんど初めてだと仰っていました。

 

そう言えば「タンクレーディ」の時に初めて王様役(老王アルジーリオ)を演じましたが、テノールの役としては人物的に分別が有り過ぎるし、何より恋の二重唱が無い事が新鮮かつ物足りなくも感じたのを覚えています。

 

 

カッコいい伯爵の登場シーンはまさに”インディー・ジョーンズ”さながら(演出家談)。小さな山村に突如現れた”イケメン異国人”に腰を抜かして驚く村人たち(合唱)の名・迷演技も合わせて、デニスさんの各場面にどうぞご期待下さい!!