シリーズトーク「『ルチア』~ベルカントオペラの魅力」が終わりました。(写真は当日の配布資料。)
悪天候の一日でしたが開場時間ころは運良く小雨程度で、小さめの会場ながらたくさんのお客様がご来場下さいました。
講師の先生のお話の流れの中でオペラアリアのワンフレーズやある場面の抜粋を断続的に歌うというコンセプトのため、約1時間半の本番中のどのタイミングで出番となるか未確定ということで、常にバックステージにピアニストさんとスタンバイ状態で待機という、普段とは違った出番待ちの時間を過ごしました。
ステージ袖に漏れ聞こえるお話の内容は大変興味深いもので、もしかしたら音大生や卒業後間もない若い声楽家さんたちこそ一聴の価値ありかもしれないですねとピアニストさんと雑談。
断続的な演奏だったにも関わらず、毎回の演奏後には温かい拍手や「ブラボー!!」を頂きました。
目の前数十センチにお客様の顔がある状態での「ルチア」の最終場面の演技(自らの胸に刃を刺して自殺するシーン、ちなみに刺してから5分くらい歌い続けるのはオペラの常道にて「リアリティーが無い?」の声は愚問!)、やってる本人も恥ずかしいのですが、お客様にはさぞお見苦しい思いをさせたかと……本来は大ホールで、舞台前はオーケストラピットで距離がありますからね(苦笑)
ロッシーニのパッセージの後のドニゼッティ(「ルチア」の2幕後半、怒りで指輪を叩きつけるテノールの見せ場&最終幕)は軽い声の自分の喉には大変負担のかかることは覚悟の上でしたが、なんとかロッシーニとドニゼッティ(「ルチア」)の声の扱いの違いを聴いているお客様に感じ取ってもらえたのかなと安堵しています。
でも「ルチア」のエドガルド役は本来はもっともっとしっかりした声のテノールで歌われますので、是非9月の「ルチア」本番をご覧くださいね!!(村上敏明さんが歌われる予定です。)
ああ、やっぱりオペラはいいな~
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あさっての愛西市佐屋公民館のコンサートでも急遽ロッシーニ作品を歌うことにしました。歌劇『アルジェのイタリア女』から”愛しい人に恋焦がれてLanguir per una bella”を初めて公の舞台で歌います。(予定プログラムはスケジュール欄に掲載。)
自分のレパートリーはついつい大切にし過ぎて「出し惜しみ」しがちなのですが(←本当は当日のコンディションや前後の曲の負担からビビってるだけですが……)、こうして演奏してみるとやっぱり自分の声と音楽、何よりその流麗かつ溌剌とした(イタリア語でSpiritoso=精気に満ちた、という言葉でよく表現されてました)ロッシーニの音楽の”気質”が自分と相性がイイのではないかと実感します。
これから6,7,8,10,11各月にロッシーニのアリアや重唱を歌う機会に恵まれました。ほとんどが東京でのご披露ですが、愛知や他の町でも、ロッシーニ作品の紹介や普及に何か出来ることがあるなら本望ですね。