本題の先に、既報の4/15のコンサートは無料(!)です。でも15曲以上歌います(笑)。
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さて、先週4/6の「カンツォーネ・コンサート」はとても楽しい演奏会となりました。たくさんのBravoや拍手で盛り上げてくれたお客様の反応がとても嬉しく、ついつい”乗せられて”気持ちよく歌うことができました。終演後は共演の歌手&ピアニストのみなさん、字幕やステージのスタッフの方々も一緒に、フランス料理屋さんでワインとお肉を思いっきり堪能しました。
いわゆる普通の音楽ホールで、ステージの中央にピアノがあるだけで、あとは歌手が代わりばんこに入退場を繰り返すといういたってシンプルな舞台構成で、その分ひたすら「歌」を聴いてもらうというコンセプトが当たったせいか、最後のアンコール(3曲!)までお客様にはしっかり聴いてもらえた感触がありました。カンツォーネという限られた分野に絞ったプログラムでしたが、演奏会前にイメージしていたよりもはるかに「楽しんで」もらえたようで本当に嬉しかった(ホッとした)です。
それにしても今回は、普段の自分のレパートリーである古典や前期ロマン派のオペラ、宗教曲などでの唱法(様式)とは”水と油”のカンツォーネ演奏(ズリ上げる歌い方、ポルタメントの多用、極端な弱音、無秩序なテンポの揺れ、噛み付く様な発音や叩きつけるアクセント・・・などなど)を、心ゆくまで満喫させてもらいました。自分の声の性質上、あまりに頻繁にこうした歌い方ばかりだと喉への負担の問題があるのですが、歌の世界に入って約15年で初めての機会、次回までまたしばらくかかるのかなぁ・・・などと嘆きながらも、出し惜しみすることなく十分にカンツォーネに”溺れて”きました(笑)
・・・と言いつつ、共演の岡本茂朗さんと一緒に、「まだ全然歌い足りない。最低あと3~4回はやらないと気が済まない!」みたいな話をして盛り上がりました。歌いたい曲が多すぎるのも困ったものですね!
岡本さんがMCの際に、「これだけイタリアから遠く離れた極東の島国のいち都市で、イタリア語の、ナポリの方言の曲をこんなにたくさん紹介してるなんて、現地のナポリの人に伝えたら絶対”表彰もの”ですね」なんて冗談で話していましたが、ホントに同感です。逆で考えて、例えばアフリカとか東南アジアの小さな町で、「だって好きやねん」とか「大阪ベイブルース」とか、大阪弁の歌ばっかりのコンサートを開催して、なおかつお客さんも盛り上がって・・・なんて光景、なかなかイメージしにくいような・・・
でも、きっとカンツォーネだからこそこうして言葉や人種、文化を超えて普及していけるのかもしれません。そこで歌われる”愛”と”情熱”と”真実”は、きっと世界中で普遍的なものだからでしょう。字幕の文章だけで十分伝わる単刀直入な詞も、異文化人種にも分かり良さは抜群です。
あとは直接的な言葉と音楽で訴えるのか(カンツォーネ)、比喩表現などオブラートに包んで遠まわしに語るのか(リートや日本歌曲)の手段の違いでしょうか。同じ声楽家、または声楽愛好家でもイタリア系とドイツ・日本系に好みが分かれやすいのも、このあたりに理由があるのかもしれません。
(写真は以前訪れたナポリの下町Spacca Napoliの路地裏。名物、”洗濯物の空中乱舞”!)